「平山建設」
高知県安芸郡安田町、ここで平山たかしは生まれた。
ある時、防空壕の中でたかしは安子という女性と出会う。
そうして、二人は眼前に安田川が流れる、坂の上で平山建設という建設業を始める。
家族を作り、安子は畑を耕し、米を作り、鶏を飼って生活の基盤を作っていった。
そうして、長男:博文、次男:司、長女:智子、次女:雪の順に子供たちが生まれる。
子供たちは大人になり、親の後をつぐもの、嫁にとつぐもの、田舎を捨てて都心で暮らすもの、皆、親になり、おのおのの家庭を築く。
そうした、平山家三世代にわたる、平山一家の物語。
眼前に流れる安田川がずっと流れ続けるように歳月も流れていく
誰かが死ぬときも、恋をするときも、絶望にくれる時ですら、安田川は眼前でただ流れ続けている、坂の上にある平山建設から見下ろした小さな橋の下で